国道308号線は、酷道方面に傾斜している人の間では知らない者はいない鉄板の道路です。
テレビなどのメディアでも取り上げられ、動画、ブログ等でも「酷道」という分類の情報をたどると必ずこの国道308号線が話題に上がってきます。
日本一の急坂国道308号線。石畳国道。
天下一の急坂国道として名を馳せている以上、話題もそれが多くなります。
多くの方が、この異常な勾配の坂路に引き寄せられて関心を芽生えさせています。

筆者は、青年期に奈良県の生駒に住んでいたこともありこの国道308号線へはよく訪れていたものです。
当時はこの道路が国道308号線といった名称であることも意識に無く、知ることも無くただ単に彼女と車で夜景を見るための少し狭い道路としての認識が鮮明に残っています。
ただ一つの例外を除いてです。
そもそも当時は、ほぼ奈良県側の区間のみ走行していたのでこの国道308号線大阪側が酷道であるということなど知る由もありませんでした。
神奈川県で例えると、表ヤビツの実体は知っていても裏ヤビツを知らないということです。
表裏とあえて冠していることからその様相は全く違ってくる訳です。
実際に初めて裏暗がり街道へと乗り入れたときの印象は忘れようにも忘れられない恐怖体験を筆者も経験した一人です。

本記事は主観的に描かれてはいますが、おおよその地元民から見た印象は適当ではないかと感じています。
ではこれより、生駒市民の筆者の視点から見た国道308号線について綴ろうと思います。

暗峠のキーワード

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地元民の筆者からみた暗峠

南生駒の国道168号線から大阪方面へ視線を移すと肉眼で暗峠を確認できます。
標高が450m程しかなく、いつ確認してもすぐにでもたどり着けそうな印象です。

道路に関心があるのであれば国道308号線が、どこを入り口としているのかを確認できますが、一般的に国道168号線から枝分かれしている国道308号線は生活道路以外の何ものにも見えません。
住宅地の中を一車線の一方通行道路を起点としているので無理もありません。
暗峠へ向かうには住宅地を迂回する経路を取ってから途中国道308号線と合流する形を取ります。

暗峠へと登る目的は、一般的には大阪府の夜景観賞です。
奈良県北西部から大阪市内へ向かうには、国道25号線か阪奈道路か第二阪奈道路を選択するのが一般的で、あえて暗峠を選択して向かうのは特例です。
酷道は夜間走ることは基本的に行なってはならない掟がこの筋では常識ですが、奈良県側の国道308号線は夜景を見ることが主な目的であることから多くの人は夜間にこの路線を登ります。
そのため、地元民から見れば奈良県側の国道308号線が酷道である印象は薄く、狭い生活道路である印象が強くあります。
生駒スカイラインが頭上を通るトンネルの先へ車で乗り入れることは奈良県側からはあまりない印象があります。

かつて存在した恐怖の一車線区間

大阪府側には、かつて通行するのをためらうほど幅員の狭い区間が存在していました。
筆者が体験した酷道上での冷や汗握る唯一の恐怖体験です。
約25m程の区間でしたが、ハンドル操作を少しでも誤れば脱輪するという国道308号線の最難関区間です。
直線ではないので時速10km以上出せません。サイドウィンドウを開けて余裕があるか確認しながら一歩ずつ進めるわけです。
しかし現在は、その区間も道幅が拡張されてしまい恐怖におののくことは過去のものとなってしまいました。
脱輪すれば国道308号線は、事故処理が完遂するまで通行止め。
酷道に関心が無ければ基本、頭上を走る生駒スカイラインのトンネル前で車を停めその先の大阪府側は車ではいきません。
夜に通行するなど無謀。
大阪側から訪れる車にはいつも果敢な決断は讃えるものの半ば呆れ果ててもいました。

奈良県民から見た南生駒から奈良市へと向かう国道308号線

そもそもこの区間の308号線を使用する人は、沿線に住宅があるか違法投棄の管理人以外いないのが実状です。
生駒市から奈良市へ向かうのであれば一般的に奈良県道1号線を使います。
国道308号線が存在すること自体知らない人が多く、国道168号線の東を走る市道の方が生駒と平群を繋ぐ本線の役割を得ており、そこから枝分かれする国道308号線は森の中へと入ってゆく行き止まりが待ち構えている得体の知れない道路の印象があります。
完全に生活道路の様相なので国道であることは、自前に調査しておかなければ気づくことはありません。

国道308号線暗峠の界隈には楽しい道路がたくさんある

暗峠から南へ約12kmの範囲内には、ドライブを楽しむための道路が他に4つほど用意されています。
生駒スカイライン、十三峠、信貴フラワーロード、大阪府道183号線。

眺望を楽しむ「生駒スカイライン」。
峠道を楽しむ「十三峠」。
快走路を楽しむ「信貴フラワーロード」。
少し苔むした道路を走る「大阪府道183号線」。

そして、酷道を楽しむ「国道308号線」。
12kmの範囲内にそれぞれ明確な特徴を持つ道路がこれほどまで用意されている地域を見つけるのは全国でも難しいのではないかと筆者は判断しています。

国道308号線の酷道レベル

酷道レベル (2) ☆☆ / ★★★★★

暗峠の大阪側の幅員の改良により車両トラブルの危険性が大幅に下がり、奈良側も藤尾峠の新道が貫通し旧道が歩道となりました。
近年の道路改良工事により酷道の要素が無くなっています。
酷道に関心が芽生えた初心の人が挑戦してみても問題は無いように思われます。
そもそもの地理的条件から見ると、酷道たらしめるような環境ではありません。
転落の危険性のある箇所もなく、奥吉野や南アルプスのような険しい山脈の中をなぞる道路でもありません。
標高450mほどの山で左右には、大阪の大都市と長閑な生駒市がすぐ目の前にあります。

筆者の意見は、東大阪市から南生駒へと抜ける区間の国道308号線は程度の高い酷道ではないというものです。
大阪側の九十九折の構造を持たない道路勾配の異常さに視点を移すと、酷道であるということよりスリルのある道路を楽しむ印象が強いです。

旧道区間

暗峠本陣跡あたりに本道からの枝道が一本。(現在は撤去された車幅1.3m規制看板の元凶区間)
藤尾峠あたりの新道からの枝道が一本。(現在車両通行不可)


暗峠界隈の食事処

鬼の茶屋にしもと(ウェブサイトなし)
山岡ピザ
ラッキーガーデン
手打ちうどん風舞
友遊由
峠の茶屋 すえひろ


暗峠界隈の観光スポット

法隆寺(奈良県生駒郡斑鳩町)
信貴山(奈良県生駒郡三郷町)
石切温泉(大阪府東大阪市)
旧生駒トンネル(大阪府東大阪市)
孔舎衛坂坂駅跡(大阪府東大阪市)

関連サイト

国道308号線 - Wikipedia
暗峠 - Wikipedia
暗越奈良街道 - Wikipedia

関連書籍

酷道をゆく
大人のバイク旅(日本百名峠)